地理情報システム学会(GIS学会)第13回研究発表大会

データをちょこっと処理してみただけで終わっている研究が多い理由を2つ考えてみた。

  1. 実はGIS学会というのはデータの分析処理の手法そのものを研究する学会なのか。だとしたら納得できないこともないが、そのわりには独自の分析手法を用いている研究など皆無で、既存の手法を用いているものばかりである。
  2. データの分析処理から先をどのように研究したらよいのか、方法論が全く確立していないのか。もしそうだとしたら「地理情報システム」という研究分野は本質的な問題点を抱えていることになる。

最終的に何を求めて研究しているのかさっぱりわからない発表ばかりであることから、私は2のほうが原因でないかと考える。

やはり、最終的に何のためにデータを分析しているのか、得られたデータと結論をどのように客観的に結び付けるのか、を常に自問するべきだ。その点で、「防災」「防犯」「マーケティング」といった目的がはっきりしている研究のほうがやりやすいのではないか。今日聞いた「港北ニュータウンにおける地形と土地利用の関係およびその時間変化」(青木邦勲、野上道男)と「GISによる岩手県胆沢扇状地における屋敷林面積の長期的変化に関する研究」(趙迪、遠藤教昭、竹原明秀)はいずれも、得られたデータから何が言いたいのかが不明であった。