浦沢直樹×手塚治虫「PLUTO」1巻豪華版(ASIN:4091877567)

面白くなりそうな感触はあるが、1巻だけを見ればそれほど面白くはなかった。手塚のオリジナルのキャラクターをじっくりと掘り下げて書き上げているが、それは浦沢が既に何十回も反復してきた手法であって私はあまり好きではない。なんと言うか、背景にある膨大なコンテクスト(日本マンガの何十年の歴史!)を噛み締めながら読むと楽しめる作品なのだろう。

工業的なロボットが人格(ゴースト)を持つというのも私にとっては違和感ありまくりで、これは世代的なものも大きい。原作の鉄腕アトム分子生物学が発展してサイバーパンクが生まれるよりずっと前の作品であるから、ロボットはまだ生物との融合を果たしていない。私にとって工業的なロボットはやはりガンダム*1アップルシードのコットス的な描かれかたのほうが自然だ。逆に人工物が人格を持つならば、ファイブスターのファティマやブレードランナーレプリカントのようなイメージを持っている。

あと、手塚の「地上最大のロボット」は前半やたらと好戦的なウランちゃんに笑った。

*1:私自身はガンダム世代よりずっと下だが。