高橋信「マンガでわかる統計学」(ASIN:4274065707)

さすがに量的には物足りないが、内容は正確でわかりやすい。左開きだが、マンガが読みにくいということは特にない。制作者たちがシナリオや作画をどのように擦り合わせていったのか、興味あるところだ。

検定でいつも思うのは、「有意水準」という主観的な値を一ヵ所だけ妥協で認めた上でそのまわりに客観的な裏付けを必死になって構築している、という印象だ。まぁ仕方がないんだけど、「検定」をふりまわす人間や「検定」を所与のものとして疑おうともしない人間があまり賢そうに見えない原因はそこらへんか。

また逆に(あまり関係ないけど)、コンピュータ科学関連の論文の性能評価の章では「10回実行した平均」だとか「5回実行した最小値」だとか各人が適当な方法を取っているわけだが、それでいいのかと心の隅でいつも思っている。せめて測定誤差がどうのこうのという話くらいはする必要があるのではと。